ツクシヤブソテツ狭羽片型
種名:ツクシヤブソテツ狭羽片型(Cyrtomium tukusicola, Dryopteridaceae)
解説:ツクシヤブソテツのイズヤブソテツ近似型
場所:福岡県北部
確認日:2020.12.29
典型的なツクシヤブソテツに比べ、側羽片が平行四辺形ではなく長方形的になるものです。葉の色や質感、側羽片の基脚の角度はツクシヤブソテツと同じですが、側羽片の形はイズヤブソテツ的に細くなります。
福岡県にはどちらの型も分布しています。この狭羽片型は、今のところ渓流の岩上や斜面で見つけています。自生地ではまとまって多数生育していることが多いです。
↓参考:ツクシヤブソテツ(福岡産・典型)
狭羽片型のツクシヤブソテツの葉身。
側羽片は細身でイズヤブソテツに近似しますが、側羽片の基脚は鋭角でツクシヤブソテツ的です。イズヤブソテツのように基脚の上側が幅広く(円脚・丸く?)はなりません。
狭羽片型のツクシヤブソテツの側羽片。
細長く、葉縁がやや波状になっている感じはイズヤブソテツ的です(福岡のものしか見たことはありませんが)。葉の表面にソーラス部分が凸出している特徴はツクシヤブソテツとイズヤブソテツの両方に当てはまります(上の写真参照)。なお、シダ植物標準図鑑ではイズヤブソテツのみに凸出と記載されています。
狭羽片型ツクシヤブソテツのソーラス。
小さくたくさんつきます(これはツクシヤブソテツもイズヤブソテツも同じ)。
狭羽片型ツクシヤブソテツの包膜。
シダ植物標準図鑑ではツクシヤブソテツの包膜は全縁、イズヤブソテツの包膜は突起縁となっていますが、これは微妙ですね。笑 中間的です。
狭羽片型ツクシヤブソテツの葉柄上部の鱗片。
中軸〜葉柄上部には鱗片はあまりつきません(ヤブソテツ比で)。
狭羽片型ツクシヤブソテツの葉柄基部の鱗片。
黒褐色です。