しださがし

福岡県から九州各地を中心に見つけたシダ植物について紹介していきます。無断での転用・転載は禁止。

ヤクカナワラビ

種名:ヤクカナワラビ(Arachniodes amabilis var. amabilis, Dryopteridaceae)
解説:亜熱帯性のオオカナワラビ変種
場所:鹿児島県南部
確認日:2024.9.29


ヤクカナワラビです。2024年に入林&植物採取許可をいただいて大隅半島で植物調査(プライベート)をしていた時に確認したものです。
外観はオオカナワラビに類似していますが、葉質はより硬質でホソバカナワラビに近い質感でした。

 


ヤクカナワラビの最下側羽片
オオカナワラビと同様、最下外側の第一小羽片は顕著に発達します。


ヤクカナワラビの葉身中部の側羽片
小羽片は深く切れ込み、裂片は鋭利で鋭く尖っています。


ヤクカナワラビの葉身上部
オオカナワラビと同様、頂羽片は明瞭で、側羽片と同じ形状です。

ここで確認した個体は小羽片の切れ込みがかなり深く、疑問に思ったので標本を調べてみました。
ネットで閲覧できる標本では、切れ込みが浅いタイプが多く、切れ込みが深いタイプの標本は比較的少なかったです。
※TNS-VS-924184、925031、タイプ標本などは切れ込みが浅め
※TNS-VS-925030は切れ込みが深め

なお、切れ込みが深いタイプとして、コバノカナワラビとの雑種(ヤクテンリュウカナワラビ, ヤクカナモドキ ※ヤクカナモドキはホソバとの雑種か?)の標本には類似した形態のものが多かったです。
※TNS-VS-1244001、222896など

上記の個体の胞子は正常だったのですが、念のため文献での記述も調べてみました。
本変種の特徴は次のように記述されています。
■原色日本羊歯植物図鑑(田川 1959)
・包膜に縁毛がなく、小羽片は一般に深く切れ込む
■日本シダ植物生態写真集成(志村 1972)
・小羽片の切れ込みがより深く、より尖り、包膜に縁毛がない点が異なる
・テンリュウカナワラビが発表され、本州や四国で本種と同定されたものにはテンリュウカナワラビが混じっていた
■新日本植物誌シダ篇(中池 1982)H4.11改定増補
・一般的に葉身はやや細長く、小羽片の切れ込みが深く、包膜の辺は全縁
・テンリュウカナワラビと外形が大変に似ている

よって小羽片の切れ込みが深いことは本変種における特徴と考えて問題ないようです。
また、この特徴からテンリュウカナワラビと誤認されていた経緯があるようで、形態的には確かに似ています。



ヤクカナワラビのソーラス


(参考)オオカナワラビのソーラス


(参考)テンリュウカナワラビのソーラス

ヤクカナワラビのソーラスは、オオカナワラビと同様に小羽片の辺縁寄りに付きます。
なお、現在はヤクカナワラビと区別しない見解となっているオキナワカナワラビでは「ソーラスが著しく縁寄りにつく」とされていますが、ヤクカナワラビのソーラスもオオカナワラビよりは縁寄りについています。若干ですが。
オキナワカナワラビのもう一つの特徴である「小羽片の切れ込みが浅い」点を考えると、切れ込みが浅いためにより辺縁寄りについているように見えたのかなと推察します。

テンリュウカナワラビ(オオカナワラビとコバノカナワラビの雑種)の場合、コバノカナワラビの影響でソーラスがやや中間寄りになっている点で異なり判別できます。



ヤクカナワラビの胞子
調査していた時は状態の良いソーラスがあまりなかったので、栽培して確認してみました。胞子は写真のとおり正常です。
ヤクカナワラビは2倍体のため、胞子は小さい印象でした。
※顕微鏡を修理に出しているため、ハンディ顕微鏡での写真です。



ヤクカナワラビの包膜(自生個体)
包膜は写真のとおり全縁で、オオカナワラビのように縁毛はありません。
参考までにですが、自宅で栽培していたところ、包膜の特徴に変化が出てきました。


ヤクカナワラビの包膜(栽培個体)

ヤクカナワラビの包膜(同一の栽培個体、日焼けした?葉)

自生状態で観察した時はシビカナワラビのように綺麗な全縁の包膜だったのですが、栽培条件下では写真のようにやや波状縁となり、葉によっては稀に突起が出てきました。日当たりや肥料の量によって生育状態が乱れたためかと思いますが、条件次第で変化しうる特徴なのかもしれません。
※胞子はやはり正常で、テンリュウカナワラビに比べると包膜の突起の量は明らかに少ないです。



林縁に生育していたヤクカナワラビ


林縁に生育していたヤクカナワラビのソーラス

例外的なものではありますが、林縁(路傍)に生育していた個体は林内の個体(ブログの他の写真)よりも切れ込みが深く乱れた形態をしていました(こちらも胞子は正常でした)。日当たりや草刈りによるストレスによる影響かもしれません。



ヤクカナワラビの小株
根茎はオオカナワラビと同程度またはより長く這い、写真のように小さい株が複数確認されました。


ヤクカナワラビの葉柄基部の鱗片
葉柄基部には褐色の鱗片がやや密についていました。

フクレギシダ

種名:フクレギシダ(Diplazium pinfaense, Athyriaceae)
解説:草質だけど常緑性のノコギリシダ
場所:鹿児島県中部
確認日:2025.12.27


フクレギシダです。国内では天草の福連木で最初に発見されたことによるそうです。

ノコギリシダやイヨクジャクに近縁な種ですが、外見はイワガネゼンマイのような風貌です。
種の保存法絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)に平成30年2月に指定されており、生きた個体の採集・損傷・配布等が禁止されています。
なお、フクレギシダは本法における卵・種子の規制対象とはなっておらず、胞子のみであれば規制の対象外になるのかもしれません。ハナナズナ等の多くの種子植物は規制対象となっていますが、本種以外にもシダ植物で卵・種子の規制対象となっている種は存在しません。胞子は減数分裂を経て半数体となっているため、定義上、卵・種子の規制対象にならないのかもしれません。


岩の壁面に生育する個体


地上に生育する個体
今回確認した自生地では渓流沿いに生育しており、写真のように岩に着生している個体と地上に生育している個体(大小50株ほど)が確認されました。一部の個体は増水時に沈みそうな水際の石礫地にも生育していました。生育基盤の水分量よりは、空中湿度が生育条件により効いているのかもしれません。


フクレギシダの最下側羽片
側羽片には明瞭な柄があり、辺縁には顕著な鋸歯があります。葉脈は二叉分岐です。
葉の質感はイヨクジャクにかなり近い印象(草質)でしたが、イヨクジャク夏緑性であることに対し、フクレギシダは常緑性です。
葉には独特なツヤがあり(クチクラによる光沢とは異なる)、フラッシュを使って撮影すると光がかなり反射しました。


フクレギシダの側羽片の先端
鋸歯の大きさはやや不揃いで、重鋸歯状に見える部分もあります。


フクレギシダの頂羽片
頂羽片は明瞭で、側羽片と同じ形をしています。



フクレギシダのソーラス
ソーラスは線形で、やや羽軸寄りについていました。イブダケキノボリシダと同様、二叉分岐した葉脈の上側のみにソーラスがついています。


フクレギシダの根茎
根茎はほぼ直立しており、大型の個体は写真のように太い根をたくさん生やして壁面に着生していました。葉柄の基部には鱗片が疎らについています。



フクレギシダの葉柄基部の鱗片
鱗片は褐色で全縁でした。


イワガネソウ(左上)とフクレギシダ(右下)
本当は脈が似ているイワガネゼンマイと比べたかったのですが、近くに生育していなかったのでイワガネゼンマイと比較してみました。ツヤや鋸歯の感じが異なっています。

イブダケキノボリシダ

種名:イブダケキノボリシダ(Diplazium crassiusculum, Athyriaceae)
解説:九州本土に唯一分布するキノボリシダ(キノボリシダの仲間ではない)
場所:鹿児島県北部
確認日:2025.12.26


年末は休暇をいただいて、久しぶりに北薩へ出かけてきました。
イブダケキノボリシダは今回目的としていたシダの一つでしたが、一日中歩き回っても一箇所でしか見つかりませんでした。もっと南方に行けば個体数は多いのでしょうか?
本種はここ北薩が国内の北限域で、鹿児島県本土ではほかにも南九州市※で最近発見されたようです。

"キノボリシダ"の名を冠した種ですが、シダ標準図鑑Ⅱによるとミヤマノコギリシダの仲間に分類されます。和名は日本で初めて発見された場所(沖縄の伊部岳)に由来するそうです。
葉身は30〜40cm程とDiplaziumの仲間では小型〜中型の部類になります。



イブダケキノボリシダの最下側羽片
側羽片は15〜20cm程、革質で硬いです。
葉縁は若干不揃いな鋸歯があるかな程度(ほぼ全縁)で、側羽片の先端部にのみ明瞭な鋸歯があります。



イブダケキノボリシダのソーラス(全体)


イブダケキノボリシダのソーラス(拡大)
ソーラスは線形で羽軸寄りにつきます。他のキノボリシダ類とは異なり、背中合わせにつくソーラスは見られません。ソーラスは、羽軸から出てニ叉分岐した葉脈の上側の脈のみに生じているようでした。包膜は古くなっており確認できず...。



イブダケキノボリシダの中軸
中軸の背軸側には小さい鱗片が疎らについています。羽軸も同様です。
なお、側羽片の柄は明瞭でした。



イブダケキノボリシダの根茎・葉柄基部
根茎は写真のように短く匍匐しており、名前に反して木に登ることはありません。
(前述のとおりキノボリシダの仲間でもないので、名前が災いしている・・・)
葉柄の基部には鱗片が密についています。



イブダケキノボリシダの葉柄基部の鱗片
鱗片はやや光沢のある黒褐色で、辺縁には明瞭な小突起があります。



イブダケキノボリシダの小株
小型の個体の葉は写真のように単葉でした。遠目には小さいヘラシダやイワガネソウと見間違えそうです。
生育環境は渓流沿いの常緑広葉樹林の斜面で、大型の個体が6株、小型の個体が6株確認されました。


(参考文献)
※立久井. 2025. 鹿児島県本土におけるイブダケキノボリシダ(メシダ科)の新産地

ハコネシケチシダ

種名:ハコネシケチシダ(Athyrium x christensenianum Athyriaceae)
解説:ヒメシケチシダとイッポンワラビの雑種
場所:福岡県西部、南部
確認日:2019.6.23, 2020.6.7, 2024.8.24







ハコネシケチシダです。
シケチシダやヒメシケチシダに比べると葉身が50cm強と大きくなります。

本種は、日本シダ植物標準図鑑Ⅱでは「三倍体不稔または三倍体無融合生殖」とされており「東日本の個体は雑種1代の個体が多く、西日本の個体は無融合生殖の性質を獲得して安定して胞子繁殖している」と記載されています。
これは昔の先行研究において、胞子が正常で無融合生殖をしていると報告したものと、不稔雑種であると報告したものの両方が存在するためです。

ただし、福岡県の個体はこれまで見ている限り全ての個体で胞子は不定形(不稔雑種)でした。
またHori(2020)では、複数の標本を調査した結果として、ハコネシケチシダは胞子が不定形のものしか確認されなかったとしており(ヒメシケチシダやシケチシダは正常な胞子が確認できている)、胞子が正常であるとした研究は何らかの手違いがあった可能性があると言及しています。

全国の個体を具に調べていけばいずれ解明される問題ですが、少なくとも本県の個体は不稔雑種ですので、そのように表記しておきます。
※個人的には、ヒメシケチシダ(胞子正常)やニセヒメシケチシダ(胞子不斉)等の存在がハコネシケチシダの識別を難しくしていたのが実態で、"胞子が正常で無融合生殖をするハコネシケチシダ"は存在しないのではないかと思っています。

ハコネシケチシダの最下側羽片
最下外側の小羽片は著しく短くなります。小羽片は羽軸から明瞭に独立し、中裂〜深裂程度まで切れ込んでいます。ヒメシケチシダよりは切れ込みが深いです。


ハコネシケチシダの葉身中部の側羽片
最下側羽片と同様の形態です。羽軸の分岐点に肉質の小突起がある点はシケチシダ等と同じです。

ハコネシケチシダの側羽片の先端
シケチシダには側羽片先端の向軸側に顕著な複数の突起があるのですが、ハコネシケチシダでは目立つ突起はありません。これはヒメシケチシダも同様です。


(参考)シケチシダの顕著な突起



ハコネシケチシダのソーラス①


ハコネシケチシダのソーラス②
ソーラスはシケチシダのようなV字にはならない、と言われることがありますが、写真のとおり発達した葉身で密にソーラスがつく場合、V字になる部分もちらほらあります。
羽軸の背軸側は有毛で、疎ら〜やや密に毛があります。なお、標準図鑑Ⅱでは有毛型のハコネシケチシダをケハコネシケチシダとしていますが、福岡の個体は有毛型のみで、無毛型のハコネシケチシダは見たことがありません。


ハコネシケチシダの胞子
昔撮ったものであまりいい写真がありませんでしたが、胞子は不斉でした。



小型のハコネシケチシダ
これくらいのサイズの時はヒメシケチシダとの区別が難しく、胞子を確認しないと判別が難しいです。


(参考文献)
Hori, K. (2020). Athyrium bipinnatum K. Hori (Athyriaceae), a new cornopteroid fern from Japan. PhytoKeys, 148, 93.

ヒメシケチシダ(類似種との比較)

種名:ヒメシケチシダ(Athyrium bipinnatum, Athyriaceae)

解説:シケチシダ複合体の有性生殖

場所:福岡県南部

確認日:2025.5.31

 

またしてもかなり久しぶりの更新となりました。
ヒメシケチシダは2020年に発表された種で、本州(近畿地方)、四国、九州に分布するとされています(文献1)。
九州では福岡県に2地点、大分県に2地点の記録がありますが、福岡県ではRDB2024改訂の調査において1地点・3株(飯塚市)のみしか確認できませんでした。もう1地点でも調査したものの現存は確認されていません。
今回、50個体以上が分布する自生地を県南部で新たに発見しました。福岡県においては貴重な自生地になると思います。

ヒメシケチシダはハコネシケチシダの起源に関与した有性生殖種で、2倍体のイッポンワラビと2倍体"型"のシケチシダ(未発見)の交雑に起源する異質4倍体種とされています。


ハコネシケチシダは無融合生殖種とされる場合がありますが、2021年の論文(文献2)においてヒメシケチシダとイッポンワラビが交雑した3倍体の不稔性雑種とされました。
ハコネシケチシダはやや大型になりますが、ヒメシケチシダはシケチシダと同じくらいの大きさの場合が多いようでした。多少大きくもなりますが、葉の変異としては以下のようなものです。

なお、本県産のヒメシケチシダの胞子はいずれも定型(1胞子嚢あたり64個)で、ハコネシケチシダの胞子は不定形であることを確認しています。


↑少し大型のヒメシケチシダ(葉身25cm弱くらい)


↑標準サイズのヒメシケチシダ(葉身20cmくらい)

参考までに、ハコネシケチシダは次のような形態です。
ハコネシケチシダは、ヒメシケチシダに比べて小羽片の切れ込みがより深いため、全体的に繊細に見えます。

↑ハコネシケチシダ1

↑ハコネシケチシダ2

また、今回発見した自生地ではヒメシケチシダとシケチシダ(4倍体)の雑種とされるニセヒメシケチシダと思われる個体も確認されました(ハコネはいませんでした)。
ニセヒメシケチシダは、シケチシダの遺伝子をより多く含むため、どちらかと言えばシケチシダに似た形態を備えています。
2021年の論文(文献2)を参考に整理すると次のような感じです。

2倍体有性生殖種:イッポンワラビ(AA)、シケチシダ(未発見)(BB)
4倍体有性生殖種:ヒメシケチシダ(AABB)、シケチシダ(普通の)(BBBB)
→4倍体不稔雑種:ニセヒメシケチシダ(ABBB)・・・ヒメシケチ✕シケチシダ(普通の)
→3倍体不稔雑種:ハコネシケチシダ(AAB)・・・ヒメシケチ✕イッポンワラビ

参考までにニセヒメシケチシダと普通のシケチシダは次のような形態です。


↑ニセヒメシケチシダ①(切れ込みが比較的深いタイプ)


↑ニセヒメシケチシダ②(切れ込みが浅いタイプ)


↑シケチシダ(普通の)

ニセヒメシケチシダは、②のようにシケチシダにかなり似てくる場合もありますが、葉身下部の側羽片において、最下外側の小羽片が羽軸に延着せずに複生する(深裂や全裂ではなく、ほぼ独立する)点を目安に区別できるようです。なお、①②とも胞子は不定形でした。

 

以下、ヒメシケチシダ、ハコネシケチシダ、ニセヒメシケチシダの側羽片などを比較してみます。


↑ヒメシケチシダの最下側羽片(標準サイズ)

↑ヒメシケチシダの最下側羽片(ちょっと大型の葉)


↑ハコネシケチシダの最下側羽片(小型葉)

↑ハコネシケチシダの最下側羽片(大型葉)


↑ニセヒメシケチシダの最下側羽片


↑シケチシダの最下側羽片

ヒメシケチシダの小羽片は浅裂から中裂になるかどうか程の切れ込みです。
標準的な大きさであれば、小羽片が深く切れ込む(深裂程度になる)ハコネシケチシダとは違って見えますが、小型葉のハコネシケチシダは小羽片が中裂前後となるため、ヒメシケチシダにかなり似てきます。この状態では胞子を確認した方が安全かもしれません。参考までに、本記事の最後に同じサイズでの写真を掲載しました。

なお、文献1では葉の色も識別点として記述されており、ヒメシケチシダはdark green、ハコネシケチシダはlight greenとされています(シケチシダもdark green)。

ニセヒメシケチシダについては、ヒメシケチシダに比べて小羽片の切れ込みが浅いので、識別は比較的容易だと思います。

次はソーラスです。葉身中部の側羽片のソーラスを掲載しました。

↑ヒメシケチシダのソーラス


↑ハコネシケチシダのソーラス


↑ニセヒメシケチシダのソーラス


↑シケチシダのソーラス

いずれもソーラスは中間生です。シケチシダとニセヒメシケチシダはソーラスがV字状になる頻度が高いですが、ハコネシケチシダとヒメシケチシダはあまりV字状にはなりません。ただし、全くならないわけではなく、たまにV字状のソーラスもあるようです。

ヒメシケチシダの羽軸は有毛とされており、現地で確認した個体についても全て有毛でした。ただし、起源種である2倍体型のシケチシダの形態は不明のため(タカオシケチシダのように無毛/有毛の変異があるかも?)、無毛のタイプがいるかもしれません。


↑ヒメシケチシダの羽軸等の毛

 


↑ヒメシケチシダ(左)とニセヒメシケチシダ(右)の胞子

ヒメシケチシダとニセヒメシケチシダの胞子を検討してみたものです。このようにヒメシケチシダは定型、ニセヒメシケチシダは不定形でした。


↑ヒメシケチシダの葉柄基部の鱗片
葉柄基部の鱗片は褐色〜濃褐色でした。


↑ヒメシケチシダの根茎
葉はやや密につきますが(葉柄の痕跡があります)、根茎は写真のように這っていました。夏緑性ですが生育期間中には何度も展葉しているようですので、1シーズンでそこそこ伸張していそうです。


(参考写真)


↑ヒメシケチシダ


↑ハコネシケチシダ(小型葉)

※ハコネシケチシダの方がより切れ込みが深いです。


(参考文献)

文献1:Hori, K. (2020). Athyrium bipinnatum K. Hori (Athyriaceae), a new cornopteroid fern from Japan. PhytoKeys, 148, 93.

文献2:HORI, K. (2021). THREE NEW HYBRIDS OF JAPANESE CORNOPTEROID FERNS IN THE GENUS ATHYRIUM (ATHYRIACEAE). Fern Gazette, 21(6).