ミツイシイノデ
種名:ミツイシイノデ(Polystichum x namegatae, Dryopteridaceae)
解説:カタイノデとサイゴクイノデの雑種
場所:福岡県東部
確認日:2020.7.12
ミツイシイノデです。カタイノデとサイゴクイノデの雑種です。サイゴクイノデは福岡県内に普遍的に生育していますが、カタイノデは少なく、たくさん生えている場所を見たことがありません。この雑種を見つけた場所の近くにはカタイノデはいませんでした。
雨に濡れているため質感がわかりにくいですが、鈍い光沢がややあります。
↑ミツイシイノデの葉身中部の側羽片。
↑参考:カタイノデの葉身中部の側羽片。
ミツイシイノデは雨水に濡れている&フラッシュ撮影なので色合いの比較は難しいですが、小羽片の辺縁の芒が発達していることや角張っている感じにカタイノデの気配があり、小羽片がやや面長な点にサイゴクイノデの気配があります。
↑ミツイシイノデの葉身頂部。
↑参考:カタイノデの葉身頂部。
ミツイシイノデの葉身頂部はなだらかに狭まりますが、サイゴクイノデのように幅広く、カタイノデのように細くはありませんでした。
ミツイシイノデの葉身基部。
一応掲載。
↑ミツイシイノデのソーラス。
↑参考:カタイノデのソーラス。
ミツイシイノデのソーラスは中間〜やや辺縁寄りについています。カタイノデに比べと辺縁に寄っていますが、サイゴクイノデに比べるとやや内側ですよね(サイゴクイノデの写真がない・・・)。
ミツイシイノデの葉身基部の側羽片のソーラス。
サイゴクイノデと同様、ソーラスは耳片に優先的についています。
ミツイシイノデの包膜。
包膜はやや波状縁で、胞子嚢は萎縮していました。
ミツイシイノデの葉柄基部の鱗片。
両親種はいずれも葉柄基部鱗片に濃色のものが交じるため、ミツイシイノデにも同様に濃色の鱗片がついていました。サイゴクイノデに比べると濃色の鱗片の数が多いですが、濃色の鱗片はカタイノデに比べると辺縁の淡色部分が広かったです。