ニセコクモウクジャク
種名:ニセコクモウクジャク(Diplazium conterminum, Athyriaceae)
解説:ソーラスが辺縁寄りになるコクモウクジャク近似種
場所:鹿児島県
確認日:2019.8.10, 2020.1.3
前にコクモウクジャクを掲載していたので、流れでニセコクモウクジャクです。
"ニセ"コクモウクジャクです(繰り返してみた)。
福岡県には分布していないため、鹿児島県本土で見た個体の写真を掲載します。慣れれば遠目にも識別できます。大型でかっこいいシダです。
コクモウクジャクに比べると、明るい緑色をしていることが多いですかね。
↓コクモウクジャク(福岡県産)
羽片・小羽片ともに柄は長めです。
以下のコクモウクジャクの形態に比べると、裂片はより鋭頭で、鋸歯がより明瞭であるように思います。
↓コクモウクジャクの葉身頂部。
コクモウクジャクの葉身中部の側羽片。
ニセコクモウクジャクの葉は平滑な感じですが、コクモウクジャクでは周縁部がやや反り返り気味で、膨らみのある葉です。質感的にはニセコクモウクジャクの方が硬いと思います。
一番明瞭な識別点ですが、ニセコクモウクジャクのソーラスは葉の辺縁寄りに付きます。上の写真では既に胞子が散っており、ソーラスが葉(裂片)の辺縁を縁取っているように見えます。
コクモウクジャクのソーラス。
こうして比較してみると、ニセコクモウクジャクのソーラスが、コクモウクジャクに比べて辺縁寄りであることがよくわかります。
ちなみに、掲載している写真の都合上、脈が二又分岐しているように見えますが、ニセコクモウクジャクも以下のとおりに単条です。
黒褐色で、光沢があります。周縁部は濃い色をしており、突起縁です。