キヨズミイノデ
種名:キヨズミイノデ
(Polystichum x kiyozumianum Sa.Kurata, Dryopteridaceae)
解説:イノデモドキとサイゴクイノデの雑種。
場所:福岡県西部
確認日:2017.8.5、2017.9.18
オンガタに続きキヨズミイノデ。こちらはツヤナシイノデではなく、イノデモドキがかかっています。ちなみにシダはほぼ独学なので間違ってたらご指摘ください。
今回も親種と対比しながら掲載していきます。
イノデモドキ。
サイゴクイノデ。
モドキといえば、カヌー型とか呼ばれる先端部が特徴ですが、サイゴクが混じっている分、あまり尾状にはなっていません。
サイゴクに比べると明らかに光沢が強いですが、モドキよりは光沢が弱いです。
キヨズミの側羽片。
左がキヨズミ、右がモドキ。
キヨズミではモドキに比べて、ややツヤ消しになっていることがわかります。
キヨズミのソーラス(2枚)
モドキのソーラス。
サイゴクのソーラス。
モドキもサイゴクも辺縁寄りなので、キヨズミも辺縁寄りです。
また、両親種同様に、ソーラスが少ない時は小羽片の基部上側からつきます。
そして葉柄の鱗片。
キヨズミの葉柄上部、中部、下部別に。
モドキの鱗片。
サイゴクの鱗片。
鱗片の特徴としては
モドキ:やや広い披針形、辺縁は著しく毛状、淡褐色
サイゴク:細めの披針形、突起縁、中央が黒褐色で辺縁は淡褐色
ということで、雑種のキヨズミには両種の特徴が反映されています。
この個体は葉柄のかなり上部の鱗片でも中央が黒褐色になっていました。
ちなみに、イノデモドキにも葉柄の鱗片の中央部が黒褐色になるタイプの個体がいるため、鱗片の特徴だけでキヨズミイノデであると断定することはできません。
ソーラスのつく位置もほぼ同じか両親種の変異の範囲にあるはずなので、同定には葉の光沢や葉身の形状を確認することがポイントでしょうね。
掲載したように発育状態の良いものであれば、ぱっと見で違和感に気づけるかと思います。