サトメシダ

種名：サトメシダ

（Athyrium deltoidofrons Makino, Athyriaceae）

解説：県内では湿地や渓流沿い等に生育する夏緑性のシダ。

場所：福岡県の西部、渓流沿いの湿地。

確認日：2017.7.16, 23

県内で見られるイヌワラビ類は、葉柄等の軸が紫色を帯びる種が多いのですが、この種は綺麗な鮮緑色をしています。

やや陽地生のような雰囲気もあり、明るい湿地のような好条件下では1m以上の高さまで葉を伸ばしているようです。

最下外側の小羽片。

切れ込みの程度は株の大きさでまちまちですが、ある程度の大きさがある小羽片では写真のように左右(羽片を基準にした場合は上下)対称になっています。

ヤマイヌワラビやカラクサイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、ホソバイヌワラビ等のその辺でよく見かける種は非対称ですよね。

最下羽片周辺の葉柄の様子。鮮緑色（というか藁色？）をしており、近縁なサカバサトメシダや他のイヌワラビ類（軸が紫色の種）との間に生じた雑種との識別点になります。

ソーラスは軸寄りにつき、発達した小羽片では鉤型をしています。

この写真でもやや判別できますが、包膜の辺縁が細裂していることも本種の特徴です。

野外でTG-4で頑張って撮影しました。

包膜の辺縁は多細胞の突起状に細裂しており、わしゃわしゃしています。

鱗片は淡褐色でやや幅が広い印象を受けました。