イヌツルダカナワラビ
種名:イヌツルダカナワラビ
(Arachniodes x repens Sa.Kurata, Dryopteridaceae)
解説:ツルダカナワラビとホソバカナワラビの雑種
場所:鹿児島県
確認日:2018.12.1
イヌツルダカナワラビです。形態の異なる2型を掲載します。ツルダカナワラビの自生地の近くで見つけたもので、この2型は隣り合って群落を形成していました。輪郭では上の型がよりホソバカナワラビ的で、下の型がよりツルダカナワラビ的、でしょうか(どっちとも言い難いか)。
型親のツルダカナワラビ。
イヌツルダカナワラビの最下側羽片。
上の型では最下外側小羽片が発達し、下の型ではほとんど発達しません。なお、ツルダカナワラビでは以下のように発達しません。
ツルダカナワラビの最下側羽片(葉身30cm程度の葉で)。
イヌツルダカナワラビの葉身中部の側羽片。
上の型はより鋭頭で、下の型はより鈍頭です。いずれも、鋸歯の先端が著しく芒状になっています。ちなみにツルダカナワラビの側羽片は以下の感じ。
ツルダカナワラビの側羽片。
イヌツルダカナワラビの葉身頂部。
どちらも、ツルダカナワラビに比べると明らかに鉾状になっています。
ツルダカナワラビの葉身頂部は緩やかに狭まります(以下)。
ツルダカナワラビの葉身頂部。
イヌツルダカナワラビのソーラス。
どちらも、軸寄りについています。包膜はどちらも小突起縁でした。
イヌツルダカナワラビの包膜。
イヌツルダカナワラビの根茎。
長く這うのですが、ホソバカナワラビに比べると屈曲しがちで葉のつく間隔もやや狭いです。長く這うため、林床一面に生育していたりします。ツルダカナワラビの根茎もやや這うには這うのですが、コバノカナワラビのような株状になるため、マット状の群落は形成しません。
イヌツルダカナワラビの群落(下の型ver)。