しださがし

福岡県から九州各地を中心に見つけたシダ植物について紹介していきます。無断での転用・転載は禁止。

コクモウクジャク

種名:コクモウクジャク(Diplazium virescens, Athyriaceae)

解説:宿存する黒褐色の鱗片が特徴

場所:福岡県中部、西部

確認日:2019.8.3, 2019.12.21, 2020.1.13(追記)

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コクモウクジャクです。写真は自然光で撮ったものと、フラッシュを焚いたものです。

福岡県で確認している個体群は写真の型のみです。筒井さんの頃、福岡県内では稀産の種でしたが、最近ではあちこちで生育を確認しています。

 

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コクモウクジャクの最下側羽片。

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コクモウクジャクの葉身中部の側羽片。

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コクモウクジャクの葉身頂部。

このくらいのサイズのシロヤマシダでは小羽片(裂片)がもっと切れ込むので、一見して判別しやすいです。また、葉が硬質で、膨らみのある感じも判別しやすい特徴であると思います。

 

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コクモウクジャクのソーラス。

発達段階の違う小羽片(裂片)ごとに掲載してみました。ソーラスは中間位置につきます。2枚目の写真では脈が二条になっていますが、発達している裂片であるためで、普通のサイズでは単条です。

 

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コクモウクジャクの葉柄基部の鱗片。

シロヤマシダのように葉柄に圧着する幅広い鱗片ではなく、細長くて直立する(?)黒褐色の鱗片をつけます。鱗片は以下のように若干ツートンカラーになっており、辺縁は著しい突起縁です。

 

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