しださがし

福岡県から九州各地を中心に見つけたシダ植物について紹介していきます。無断での転用・転載は禁止。

エンシュウカナワラビ

種名:エンシュウカナワラビ

(Arachniodes tohtomiensis Shimura, Dryopteridaceae)

解説:ホソバカナワラビと不明種の雑種

場所:福岡県中部

確認日:2018.11.4

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エンシュウカナワラビです(疑惑あり)。実葉と裸葉を2枚ずつ掲載しています。昔はホソバカナワラビ内陸型とされていたこともあり、ホソバカナワラビが沿海地に多いのに対し、エンシュウカナワラビはやや内陸寄りで見られるようです。

葉身はやや五角形状です。

 

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エンシュウカナワラビの最下側羽片。

最下外側小羽片は発達しますが、2番目以降もやや発達します。

 

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エンシュウカナワラビの葉身中部の側羽片。

ホソバカナワラビに比べると小羽片は基部にかけて少し幅広です(やや三角状?あとより切れ込みが深いかな)。

 

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エンシュウカナワラビの葉身頂部。

穂状〜不明瞭な穂状といった具合で、他のカナワラビ類の頂羽片に比べて小さくまとまります。

 

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エンシュウカナワラビのソーラス。

やや小羽軸寄りについています。包膜には突起があり、全縁であるホソバカナワラビやコバノカナワラビとは異なります。

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エンシュウカナワラビの包膜。

ちなみに胞子は不定形でした。

 

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エンシュウカナワラビの根茎。

葉は間隔を開けてつき、根茎は長く這います。ホソバカナワラビとほとんど同じです。