しださがし

福岡県から九州各地で見つけたシダ植物について紹介していきます。無断での転用・転載は禁止。

ミヤコヤブソテツ

種名:ミヤコヤブソテツ(Cyrtomium yamamotoi Tagawa, Dryopteridaceae)

解説:包膜の中心が黒くなる無融合生殖のヤブソテツ類。

場所:福岡県北部、中部(多分全域にいる)

確認日:2018.5.20, 2018.6.9

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ヤブソテツ類では比較的訳しやすい型でしょうか。幼株だとヒラオヤブソテツ型のヤブソテツとの識別が難しくなりますが、ほとんどの成株では問題なく識別できると思います。

弱光沢型と強光沢型の写真を掲載しましたが、このほかに広葉型の個体も確認してはいます(今年はまだ見に行けていない)。無融合生殖種なので、ほかにも異なる型があるかもしれません。

県内において、弱光沢型は石灰岩地に多い印象で、強光沢型はそのほか花崗岩地などで見かける印象です。

※ヤブソテツ⇒ホソバヤマヤブソテツ型、ツヤナシヤブソテツ型、ヒラオヤブソテツ型としてコメント書いてます。

 

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ミヤコヤブソテツの最下側羽片。

ホソバヤマヤブソテツ型が細長く、ツヤナシヤブソテツ型が広卵形っぽくなるのに対し、ミヤコヤブソテツはなだらかに狭まる長い側羽片であることが特徴です。この辺が少しヒラオヤブソテツ型にも近かったりするのですが、ヒラオではもう少しツヤナシ型寄りの幅広い形状をしています。イズヤブソテツは幅が平行的で鋸歯も荒いため、識別には困りません。

 

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ミヤコヤブソテツの側羽片(葉身中部)。

前述の説明に同じで、側羽片はなだらかに狭まり長いです。側羽片の基部は広いくさび形〜やや円形なくらいです。

 

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ミヤコヤブソテツの頂羽片。

ヒロハヤブソテツやツクシヤブソテツのように、目立って大きな頂羽片は形成しません(上手く表現できないけど)。ホソバヤマヤブソテツ型のように側羽片が頂部にかけて目立って小さくなることはないと思います。

 

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ミヤコヤブソテツの側羽片の先端。

鋸歯縁です。

 

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ミヤコヤブソテツのソーラス。

裏面の全面につきます。典型的なホソバヤマヤブソテツ型に比べるとソーラスは大きいです。ヤブソテツ類に典型的という言葉はあわないかもですが...。

 

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ミヤコヤブソテツの包膜。

中心部が濃褐色になります。ツクシヤブソテツやイズヤブソテツと同じ特徴ですが、両種よりはソーラスが大きい気がします。

 

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ミヤコヤブソテツの葉身基部中軸の鱗片の様子。

ここの鱗片も識別に有用だと思っていて、ツヤナシヤブソテツ型では明らかに幅広く大きな鱗片がついています。ミヤコヤブソテツでは、細い鱗片がつきます。ちなみにヒラオヤブソテツ型もミヤコヤブソテツと同じくらいかな。

 

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ミヤコヤブソテツの葉柄基部の鱗片の様子。

ツヤナシヤブソテツ型に比べると、まばらにつきます。