イズヤブソテツ
種名:イズヤブソテツ(Cyrtomium atropunctatum Sa.Kurata, Dryoteridaceae)
解説:並行的な羽片のヤブソテツ
場所:福岡県の西部、中部
確認日:2017.7.8, 2017.12.23
前のシダ植物図鑑では生体写真から特徴がわからず、ヒントの少ないヤブソテツでしたが、典型的なものではその他のヤブソテツ類と容易に識別できます。
県内での個体数は、他のヤブソテツに比べて少なく、稀な種だと思います。
イズヤブソテツの葉身頂部。
明瞭な頂羽片があります。葉色は黒っぽい緑色をしており、やや光沢があります。
葉の質感はかなりパキパキしており、硬いです。
イズヤブソテツの最下側羽片。
イズヤブソテツの中部の側羽片。
いずれも細長く、両側が側羽片中部過ぎまで並行的な幅をしており、上部で急に狭まります。
基脚はくさび形で90度くらい、羽軸の上側の方が下側に比べて幅広です。
ソーラスがついている部分は、表面に突出しますが、このような特徴はその他のヤブソテツ類でも見られるものであるため、この特徴のみをキーに本種と同定することはできません。
側羽片は細鋸歯縁でずが、テリハヤブソテツに比べるとかなり硬質な鋸歯で切れ込みが深いです。
イズヤブソテツのソーラスの様子。
全面に散在し、包膜は小さいです。
イズヤブソテツの包膜。
中心部は黒褐色で辺縁は波状縁でした(標準図鑑では突起縁とされているけど)。
葉柄基部の鱗片は濃褐色で、辺縁は淡色でした。