ヨゴレイタチシダ
種名:ヨゴレイタチシダ(Dryopteris sordidipes Tagawa, Dryopteridaceae)
解説:汚れてはいません。
場所:鹿児島県
確認日:2018.5.4
久しぶりの更新な気がします。
と言うのも、この時期はスミレやツツジ、カヤツリグサ等の春が同定適期なやつらを探し回っているもので...。笑
ヨゴレイタチシダは九州北部にはいないため、見てみたかった種の一つでしたが、鹿児島県でふと見つけることができました。
遠目にはコバノカナワラビ?と一瞬思う程、葉面には強い光沢があります。名前のヨゴレというのは、圧着した鱗片で中軸や羽軸が汚れて見えることから...。
ヨゴレイタチシダの中軸。
鱗片が圧着していることがわかります。拡大しているため疎らに見えますが、遠目にはびっしりと密に張り付いているように見えます。
ヨゴレイタチシダの最下羽片。
羽片の柄はオオイタチシダに比べると明らかに長く、葉質はアツバのオオイタチと比べてやや薄いくらいでした。最下小羽片は発達〜やや発達といった具合でした。
ヨゴレイタチシダの即羽片と小羽片の様子。
金属光沢のある深緑色で、重厚感があります。鋭鋸歯縁ですね。
ちなみにこれは冬越えした葉で、今は展葉の時期でした。
ヨゴレイタチシダの葉身頂部。
不明瞭〜やや鉾状でした。金属光沢強い。
ヨゴレイタチシダのソーラス。
ソーラスは中間生でした。包膜は所々に残っています。
また、羽軸の鱗片基部は袋状にはなりません。
ヨゴレイタチシダの葉柄基部の鱗片の様子。
葉柄中上部の鱗片は黒褐色ですが、基部の鱗片は明るい褐色で長かったです。