サツマクジャク
種名:サツマクジャク(Diplazium x satsumense, Athyriaceae)
場所:鹿児島県(本土)
確認日:2019.8.12, 2018.7.28
サツマクジャクです。ニセコクモウクジャクとミヤマノコギリシダの雑種と考えられています。鹿児島県のとある谷に群生していました。ニセコクモウクジャクが関係しているため、大型(葉身長で80cm程)になります。
ミヤマノコギリシダの関与に納得がいかず、ずっと掲載を渋っていました。まだまだ未熟です。笑
サツマクジャクの最下側羽片(大型の葉)
ニセコクモウクジャクのように小羽片は独立しますが、切れ込みは浅いです。葉の色合いはニセコクモウクジャクのそれです(もう少し明るい黄緑かな)。光沢はありません。質は厚いです。
サツマクジャクの葉身中部の側羽片(大型の葉)
小羽片は独立します。
サツマクジャクの葉身頂部
サツマクジャクの小株
葉身は小さい場合には単羽状葉のことが多いですが、2回羽状になるものもあるし、まちまちです。
サツマクジャクのソーラス1
サツマクジャクのソーラス2
ソーラスは基本的には中間位置のようですが、やや辺縁寄り(辺縁に優先、または辺縁近くまで伸びる)になっており、ニセコクモウクジャクの関与が垣間見えます。
また、側脈がややジグザグに歪んでいる様子にミヤマノコギリシダの雰囲気があります(ある先生からのアドバイス)。
サツマクジャクの葉柄基部の鱗片1
サツマクジャクの葉柄基部の鱗片2
辺縁が濃くなる濃褐色の鱗片で、突起縁です。
サツマクジャクの群落
林床に広がっている緑色のものが全てサツマクジャクでした。根茎が這うため、このような群落を作るようですが、胞子を栽培したところ、不定形ながら発芽するものがありました。片親のニセコクモウクジャクの性質を受け継いでいるようで、根茎による増殖のみでなく、いくぶんかは胞子により増殖しているものと思います。
シカの個体群密度が高い地域ですが、なぜかここの個体群は残っていました。