種名:ヤクシマハチジョウシダ(Pteris yakuinsularis, Pteridaceae)
解説:単柄のあるヤワラハチジョウシダ
場所:鹿児島県
確認日:2019.10.14
久しぶりの更新となりました(仕事等が忙しくて笑)。
ヤクシマハチジョウシダです。屋久島と名がついていますが鹿児島県本土にも(場所によっては普通に)生育しています。この場所ではほぼ全てがヤクシマハチジョウシダでした。
ヤクシマハチジョウシダの側羽片。
ヤワラハチジョウシダやサツマハチジョウシダとの違いとしては写真のように側羽片に単柄があること。また、サツマハチジョウシダに比べると側羽片の最大幅が中央部にあります(側羽片の基部が短縮する)。
葉の質感については、ハチジョウシダよりも柔らかく、ヤワラやサツマ、アイコ、モドキよりも硬い感じです。色はヤワラハチジョウシダよりも若干光沢がある渋い緑色ですが、無融合生殖種だから変異幅があるかも。
側羽片の数はヤワラハチジョウシダよりも多いです(〜7対とか)。
ヤクシマハチジョウシダの最下側羽片。
ヤクシマハチジョウシダの頂羽片。
ヤクシマハチジョウシダのソーラス。
裂片の基部から先端部付近までソーラスがついています。また、ハチジョウシダ類で言われる小羽軸基部の側脈(Y)の出方ですが、どちらかと言うと羽軸から出ているようです。
ヤクシマハチジョウシダの葉の表側の棘の様子。
小羽軸上には疎らに棘が生えていました。棘はアイコハチジョウシダに比べると短くて数も少ないです。
ヤクシマハチジョウシダの葉柄基部の鱗片。
濃褐色で辺縁が淡色の鱗片です。ヤワラハチジョウシダやサツマハチジョウシダに比べると宿存する傾向があるようで、成熟した葉でも鱗片が残っていることがほとんど。
ヤクシマハチジョウシダの軸折れ具合。
この個体はあまり軸折れしていませんでした。軸折れの度合いについては個体間(生えた地形?)による相違があるようで、軸折れしているものからしていないものまでありました。どちらかと言うと軸折れしている個体が多かったかな...。