ツヤナシイノデ
種名:ツヤナシイノデ
(Polystichum ovatopaleaceum var. ovatopaleaceum, Dryopteridaceae)
解説:光沢は少しあるけどツヤ無しイノデ
場所:福岡県の南部
確認日:2019.9.19
福岡県内では標高の高い山系で普通に見られるイノデです。低地には少なく、標高の高い山地に生育しています。ツヤ無しという名前ですが、写真のように多少のツヤはあることが普通です。
ツヤナシイノデの葉身頂部の様子。
ツヤナシイノデの葉身中部の側羽片の様子。
丸っこく、狭い間隔で重なり合うようにつく小羽片が特徴的です。
写真の葉は黄緑色ですが、葉の色には変異があり、やや青緑色がかった葉色の個体も見られます。葉面のツヤの程度もまちまち。
ツヤナシイノデのソーラス。
軸と辺縁の中間位置につきます。なお、ソーラスがつくのは葉身の上半分程度です。
ツヤナシイノデの中軸中部の鱗片。
ツヤナシイノデの中軸基部の鱗片。
中軸から葉柄にかけてつく鱗片は広卵形〜卵形で丸っこいです。
また、サカゲイノデのように逆向きになることはありません。
ツヤナシイノデの葉柄基部の鱗片。
褐色〜淡褐色ですが、個体によっては写真のように"栗色"の鱗片が交じることがあります。サイゴクイノデとの雑種であるオンガタイノデや、カタイノデとの雑種であるアカメイノデも同様の特徴を呈しますが、その場合には鱗片の形状がより細くなります。