ナンカイイタチシダ
種名:ナンカイイタチシダ(Dryopteris varia, Dryopteridaceae)
解説:多形なイタチシダ(難解?南海?)
場所:福岡県の西部、東部
確認日:2018.10.3, 2019.7.28
ナンカイイタチシダです。内陸よりは沿海地の樹林内や林縁部で見かける種で、形態の変異が大きいですが、福岡県では写真のように黄緑色の葉色の型のみを確認しています。
ナンカイイタチシダの最下側羽片。
最下外側の小羽片は著しく伸張し、大型の葉では写真のように2番目の外側小羽片も伸張します。
ナンカイイタチシダの葉身中部の側羽片。
小羽片は鎌状に曲がり、先端は鋸歯縁です。ちなみにこの個体の葉は光沢の無い黄緑色ですが、個体によって光沢があるものや黒っぽい緑色をしているものなど変異があります。
ナンカイイタチシダの葉身頂部。
鉾状〜やや鉾状で、個体や葉によって程度に違いがあります。
ナンカイイタチシダのソーラス。
軸と辺縁の中間に位置します。
ナンカイイタチシダの包膜と小羽軸の鱗片。
包膜には毛状の突起があります。小羽軸の鱗片は基部がやや袋状です。
ナンカイイタチシダの羽軸の鱗片。
小羽軸の鱗片の基部は袋状ですが、羽軸や中軸の鱗片の基部は袋状にはなりません。
ナンカイイタチシダの葉柄基部の鱗片。
この個体は光沢のある赤紫色の鱗片をでしたが、型によっては褐色の鱗片をつけているものもいます。