しださがし

福岡県から九州各地を中心に見つけたシダ植物について紹介していきます。無断での転用・転載は禁止。

イワヘゴ

種名:イワヘゴ(Dryopteris atrata, Dryopteridaceae)

解説:わりとかっこいいシダ

場所:福岡県の西部、中部

確認日:2019.6.23、2019.8.3

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お馴染みのイワヘゴです。湿潤な杉植林等で見かける種で、類似したイヌイワヘゴがツヤ消しな質感であるのに対し、つややかな質感をしています。イヌイワヘゴはどちらかと言えばイワヘゴの生育環境よりも渓流や水路沿い、日当たりの良い環境で見かけます。

 

↓イヌイワヘゴ

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イワヘゴの葉身の全体(フラッシュ使用)。

イヌイワヘゴに比べるとずんぐりした形をしています。

 

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イワヘゴの葉身の頂部。

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イワヘゴの葉身の基部。

最下羽片〜下部羽片のいくつかは明瞭に反り返ります(ツクシイワヘゴ比)。

 

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イワヘゴの葉身中部の側羽片。

ほとんど鎌状にはならず、またイヌイワヘゴ(以下)に比べて脈が少し凹むため目立ちます。裂片はごく浅い鋸歯縁〜浅裂くらいになります。

 

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イヌイワヘゴの葉身中部の側羽片(比較用)。

側羽片はやや鎌状に曲がります。脈は凹まないため、イワヘゴに比べて平滑な葉面です。

 

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イワヘゴのソーラスの様子(葉身頂部)。

軸寄りに優先して付きます。

 

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イワヘゴのソーラスの様子(葉身中部の側羽片)。

軸と辺縁の中間に2(〜3)列に並んでいます。

 

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イワヘゴのソーラスの様子(葉身下部の側羽片)。

(やや?)軸寄りに付きます。

 

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イワヘゴの葉柄基部の鱗片。

光沢のある黒褐色の鱗片が密につきます。

イヌイワヘゴでは、褐色〜濃褐色で先端部が淡色の(より明るい色の)鱗片がつきます。

↓イヌイワヘゴの葉柄基部の鱗片。

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イワヘゴの葉柄の鱗片。

毛状の突起縁です。

 

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イワヘゴの中軸基部の鱗片。

こちらも毛状の突起縁です(黒褐色というより濃褐色かな?)。

ちなみにイヌイワヘゴでは以下のとおり。

 

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イヌイワヘゴの葉柄の鱗片。

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イヌイワヘゴの中軸基部の鱗片。