オオサトメシダ
種名:オオサトメシダ
(Athyrium x multifidum Rosenst., Athyriaceae)
解説:サトメシダとヤマイヌワラビの雑種。
場所:福岡県の西部、渓流沿いの湿地。
確認日:2017.7.16
こちらはかなりわかりやすい雑種。
サトメシダというよりはむしろヤマイヌワラビ的な印象を持ちました(多分ヤマイヌの変異がいろいろで、まだ捉えきれてないからだろうな)。
最下羽片基部の様子。各軸は紫色、また一番付け根にある小羽片は著しく短縮しており、ヤマイヌ的な特徴が現れています(ツルニンジンさん切ってごめん)。
ではどの辺がサトメシダなのかと言うと、
これ。細っそりと伸び、左右相称になっています。
参考までにヤマイヌがこれ。
サトメはこちらのリンクから。
(http://shidasagashi.hatenablog.com/entry/2017/07/27/224208)
オオサトメの裏面の様子。ソーラスは鉤形というか馬蹄形かな?
ソーラスのつき方はサトメシダに類似しています(さっきのリンク参照)。
ちなみにヤマイヌはこちら。
違いは伝わりましたでしょうか。軸に寄って小さくつく感じがとてもサトメシダらしい特徴のように思います。包膜の辺縁はサトメのような毛状ではなく、やや突起があるかなといった具合でした。
ちょっと藪ってたので、1本いただいて鱗片の様子。
サトメやヤマイヌのように細身な鱗片ですが、中央がやや濃くなっており、ヤマイヌの特徴(の1タイプ)が現れていました。
オオサトメシダをまとめると、表から見るとヤマイヌワラビ、裏から見るとサトメシダと言った具合です。