ヒサツイヌワラビ
観察したシダ植物の記録用にブログを始めてみました。
分類の精度には力を入れている(つもり)ので、ご意見等お待ちしています。
とりあえずテスト投稿ということで。
種名:ヒサツイヌワラビ(Athyrium x hisatsuanum Sa.Kurata, Athyriaceae)
解説:ホソバイヌワラビとカラクサイヌワラビの雑種と推定されている。
場所:福岡県の西部(詳細な地名は載せないことにします)、湿った杉植林内。
確認日:2017.7.8
全体の様子。質感としてはホソバイヌワラビに近いものがあります。
頂部が急に狭まる点にカラクサイヌワラビ的な特徴が見て取れます。
小羽片の切れ込みは中程度になり、輪郭はヤマイヌワラビに似ていますが、色合いや質感が異なり、またヤマイヌだと葉身はもっと幅広になると思われます。
羽片・小羽片の様子。羽片は有柄です。
小羽片は長楕円的になり、カラクサとは異なることがわかります。
小羽片には顕著な突起があり、ホソバ的な特徴が現れています。
裏面の様子。羽軸は多毛でホソバ的な特徴が反映されています。
※カラクサは標準図鑑で無毛とされていますが、有毛(多毛ではないけど)の型も稀に確認しています(胞子は正常なのでオオカラクサイヌワラビとかではない)。
鱗片は中央部がやや濃い褐色。カラクサの特徴を反映して、やや広めのものが混じっています。
上がホソバイヌワラビ、下がヒサツイヌワラビ。
小辺の切れ込み方、葉身の形状が異なることがわかります。
周辺のシダ植生メモ。
イワガネソウ、ホソバイヌワラビ、カラクサイヌワラビ、ヤマイヌワラビ、タニイヌワラビ、トガリバイヌワラビ、アイトガリバイヌワラビ、シケチシダ、タカオシケチシダ、シロヤマシダ、ヘラシダ、シケシダ、イワヘゴ、トウゴクシダ、リョウメンシダなどなど。